派遣社員の思いと現場

高齢化社会の進行が大きくクローズアップされる中、介護現場への注目も高くなってきている。増え続ける高齢者を背景に、ケアハウスや老人ホームなどの介護施設が次々とオープンしている。介護施設が増えることになれば、当然ながら現場で働く職員も増えることになる。ケアマネージャーやホームヘルパーなどの果たす役割は、大きくなっているといえるだろう。

介護施設の運営者にとっては、安定運営を図るためにも人材確保に努めているのだ。正社員に加えて、派遣社員や契約社員、パートなどと雇用形態にこだわらない姿勢を全面に打ち出す施設も増加の一途をたどっている。あちらこちらで聞かれる人手不足の事態を回避したいという思いが垣間見える。そんな中、問題ともいえる事象も起こっており、施設運営者や管理者の頭を悩ませているのだ。

正社員などの正規雇用者による派遣社員などの非正規雇用者へのいじめや嫌がらせなどの問題が浮き彫りになっているのだ。この問題については、双方の意識の違いという根本的な点があるということも念頭に置く必要がある。いじめや嫌がらせを受けている側の一方的な思い込みということも十分に考えられる。とはいえ、放置しておけば事態の一層の進行や深刻化ということにもつながりかねない。施設運営者や管理者としては、双方からのヒアリングをするなどの対応をすることが大切といえるのではないだろうか。多くの人が気持ちよく働くことができる環境づくりが重要である。